ソフト闇金は法改正によって貸金業に参入しやすくなった時代に、多くの企業が進出しました。
各自コンセプトを持っておりましたが、共通することは多額のローンを組むことではなく借りやすく返しやすい金額の貸し出しをすることで収益モデルを作る方式だったのです。
初月の金利は無料にするなどして敷居を下げて、リピーターを産む戦略もお馴染みでした。
ソフト闇金は若年者や低所得者でも返しやすい上限金額を決めて、銀行などに比べて審査を緩くすることで顧客を増やしていったのです。急成長する企業が生まれ同業他社と合併することにより、地方銀行と同程度の資金運用が出来る企業も誕生しました。
それほど少額ローンの需要は高くありましたし、需要と供給のバランスシートも有効だったのです。
反面この借りやすいという性質を利用して、複数のソフト闇金から借り入れをすることにより返済能力以上の借金を背負ってしまうユーザーも少なくありませんでした。
複数の会社を利用することで返済が自転車操業になってしまい、金利を返すだけで目一杯という状況を生んでしまう結果になったのです。
返済日を月末や中頃に設定することが一般的で、1週間以上返済がなければ催促の連絡が届く仕組みになっております。
最初はダイレクトメールになりますが、返済の意思がない場合には電話になりさらに直接の訪問や、勤務する会社にまで連絡が来ることも珍しくありません。
ユーザーは借金を返済するために新たなソフト闇金から借り入れをして、そのお金で返済をするという悪循環に陥る人もいました。このような状況は社会問題になり、貸金法がより厳格になり返済能力のない人間が多重債務を抱えることは極めて困難になったのです。
借金の額はそのまま社会的な信用の額であり、多くの借金を抱えても返済が出来る内には問題は発生しません。
返済に滞ると金利に対して延滞金が付加されたり、信用情報が傷付くというデメリットが発生するのです。個人事業主や有限会社などの零細企業では、信用情報に傷が付くと資金繰りがショートしてしまうという背景があるために、急な資金を必要とするケースが少なくありません。そのためにソフト闇金などを利用するのですが、現在はよりシビアな貸し出し体勢になっており、リスクがある場合には少額のローンも組むことが出来ないのです。これは過去に多重債務者を生んでしまったことや、法定金利ギリギリの金利などをユーザーに貸してしまった業界の負の遺産の一端と言えるでしょう。